Archive for the Category ◊ 千葉県 ◊

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• 火曜日, 11月 04th, 2008

19年度の特定<プレ>事業【ヘルスアップ事業】は、当初の目標を達成して成功したと、スタッフのほぼ全員が思っている。

しかし問題は、20年度から始まる実際の【特定事業】である。【ヘルスアップ事業】の参加者は、全国どこで実施しても、圧倒的に女性の参加者が多い。本番では男性が大半を占める(該当者)。

もうひとつ大きな問題がある。【ヘルスアップ事業】では、運動教室、食生活改善教室、メタボ予防の講談会などを、数多く実施した。

ところが【特定事業】の“動機づけ支援”では面接が1回限りである。専門スタッフ(保健師、管理栄養士、運動指導士)の誰もが、口をそろえて「たった1回の面接指導で、どれだけの結果がでるのか、本当に不安だ」と言う。

いわゆる「教室」や「講習会」や「講演会」では、みんなで楽しく実技ができる。仲間づくりができる、家庭へひろげられる地域づくりができる。

そこで絶対に欠かせないとねと言うのが【ポピュレーションアプローチ】である。

誰でもが参加できる「メタボ予防教室」や「講演会」である。年に何回か開催できれば、隣、近所で声を掛け合って、活動の輪を、広く、地域にPRする機会にもなる。今後は、全国で【ポピュレーションアプローチ】が必要だ、という声があがるだろう。

実施率を高めるためにも、中高年の男性が参加してくれる環境づくりをすすめなければならない。

とにもかくにも、広く、1人でも多くの方が自由に参加できる【ポピュレーションアプローチ】を実施して、家庭で、地域で、職場で、“仲間づくり”、“健康づくり”の輪をひろげていかねばならない。

君津市の参加者のみなさんに感謝。

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• 火曜日, 11月 04th, 2008

君津市は、全国から集った人たちがつくった都市型の街と、昔からそこに住んでいる故郷型の町が共存している市だ。

市役所はJR君津駅から歩いても4〜5分のところにある。【ヘルスアップ事業】の会場は、市役所から徒歩2〜3分の「保健福祉センター」で実施された。

保健福祉部健康管理課の仕事は多岐にわたっている。がん検診、健康診査から、献血、予防接種、各種健康相談などである。

19年度の【ヘルスアップ事業】は20年度からはじまる【特定健診・保健指導事業】のプレ事業に内容が変更されたために、計画づくりから実施体制、実行に至るまでに、難易度が高くなった。

対象者の選定から、動機づけ支援、技術的支援の階層化など、そしてポイント制のプログラムづくりまで、スタッフにとってはじめての経験で、責任の重い仕事が続いた。

プログラムは
(1)積極的支援【しっかりスリムコース】 参加者56人
(2)動機づけ支援【らくらくコース】 参加者88人

【しっかりスリムコース】では、実績のある、一流の先生方をお招きした。個人面談は保健師、管理栄養士が担当。

開講式は古田裕子先生。
運動教室の大津桂子先生。
小林佳代子先生。
食生活改善のオーソリティー杉本恵子先生。
糖尿病を運動療法で治療する権威、藤沼宏彰先生。

豪華なメンバーで数多くの教室、講義、講座をひらいた。もちろん参加者の方々も大満足であったと思う。ポイント数は、相当なものである。

【らくらくコース】は開講式、閉講式に加えて、3つの講座にしぼった。

古田先生の「メタボリックシンドローム」
杉本先生の「食生活改善講座」
藤沼先生の「糖尿病と運動」である。

○効果、結果について
目標(1) 2キロ以上の体重減 23人(52%)
目標(2) 3.0cm以上の腹囲減少 22名(50%)

食生活の目標達成率が8割に対して運動は7割と少ない。理由は「時間がなかった」である。食後はこの効果がどのくらい習慣化できて、持続できるかということにかかっている。

フォローアップ体制が必要だ。

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• 火曜日, 11月 04th, 2008

君津市は、昭和45年に、君津町、小糸町、上総町、清和村、小櫃(おびつ)村が合併してできた市である。

人口は9万人。近代都市(工業)と郷土(ふるさと)の2つの貌(かお)を持つ市である。

海、港は交通の要であり、交易の場であり、工業の起こる源である。文明にはいつも水が、大きな役割を果たしている。

君津市は、以前訪問した岩手の釜石と同じく【鉄】の街である。JR君津駅の周辺に市街地がひろがっている。製鉄所へはタクシーで10分。巨大な工場・製鉄所が、海に向かって開かれている。

ちなみに【鉄】は“金を失う”と書くから、縁起をかついでか、製鉄所の名前には【鉄】ではなくて【鐵】という旧字を使用している。

巨大企業は合併の結果、室蘭(北海道)、釜石(岩手)、八幡(北九州)と、全国各地から社員が乗り、その関連企業だけでも数千名の人が製鉄所関連の仕事に従事し、そのまま、地元の君津市に住みついた人も多く、市はまさに企業城下町の様相を呈している。

それが、ひとつの貌である。もうひとつの貌は、外房の鴨川市までのびた、広大な土地に昔から住み、農業や林業に精を出してきた人々である。房総の山脈は低く、その合間を川が流れ、田畑と林が濃く、鮮やかな緑を敷きつめている。

清流がある。オートキャンプ場がある。清和の森は、憩いの場であり、緑の王国だ。その隣は、太平洋に面した鴨川市である。

内房から外房へと連山が低くうねり、緑の中に人家が点在する。まさに良き時代の、昔の故郷がそのまま残っている風景に遭遇すると、ホッと、心の糸がゆるくなって、郷愁に似た思いが湧きあがってくる。

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• 火曜日, 11月 04th, 2008

君津市は、昭和45年に、君津町、小糸町、上総町、清和村、小櫃(おびつ)村が合併してできた市である。

人口は9万人。近代都市(工業)と郷土(ふるさと)の2つの貌(かお)を持つ市である。

海、港は交通の要であり、交易の場であり、工業の起こる源である。文明にはいつも水が、大きな役割を果たしている。

君津市は、以前訪問した岩手の釜石と同じく【鉄】の街である。JR君津駅の周辺に市街地がひろがっている。製鉄所へはタクシーで10分。巨大な工場・製鉄所が、海に向かって開かれている。

ちなみに【鉄】は“金を失う”と書くから、縁起をかついでか、製鉄所の名前には【鉄】ではなくて【鐵】という旧字を使用している。

巨大企業は合併の結果、室蘭(北海道)、釜石(岩手)、八幡(北九州)と、全国各地から社員が乗り、その関連企業だけでも数千名の人が製鉄所関連の仕事に従事し、そのまま、地元の君津市に住みついた人も多く、市はまさに企業城下町の様相を呈している。

それが、ひとつの貌である。もうひとつの貌は、外房の鴨川市までのびた、広大な土地に昔から住み、農業や林業に精を出してきた人々である。房総の山脈は低く、その合間を川が流れ、田畑と林が濃く、鮮やかな緑を敷きつめている。

清流がある。オートキャンプ場がある。清和の森は、憩いの場であり、緑の王国だ。その隣は、太平洋に面した鴨川市である。

内房から外房へと連山が低くうねり、緑の中に人家が点在する。まさに良き時代の、昔の故郷がそのまま残っている風景に遭遇すると、ホッと、心の糸がゆるくなって、郷愁に似た思いが湧きあがってくる。

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• 火曜日, 11月 04th, 2008

10月16日の開講式には、糖尿病の運動療法の権威である藤沼宏彰先生(医学博士、体力医学会健康科学科学アドバイザー)をお招きして、講演会を実施。

身体測定、体力測定、3カ月間の参加者の笑い声があった。富津市の住民は気さくで、おおらかで、人なつっこく、厳しい海の仕事が、海辺の生活が、風土が、人をつくりあげているのだと納得をした。

4回の運動教室は、運動指導士の大津桂子先生が担当。音楽に合わせたエアロビクスや筋トレなど、楽しく有意義な教室で、大好評。「また来てくださいね」と参加者の声が飛んだ。

食生活改善講習会は、管理栄養士の加藤則子先生の担当。医師で、糖尿病の治療をしているご主人とのコンビで、日々、腕を振るっている。厳しい指導の中にも人情味がある。

1月26日の閉校式までの、長い【事業】であった。

結果は? 成果は?
(1)体重の変化
63名のうち53名(84%)が体重を減らした。ただし1.5キロ以上減った方が33名
(2)腹囲の変化
57名のうち35名(61%)が腹囲を減らし、2.5cm以上減った方は19名(31%)
(3)中性脂肪(血液検査)
基準値外だった26名のうち24名が改善。そのうち20名(92.3%)が正常になった
(4)HbA1c
基準値外だった51名のうち41名が改善。そのうち24名が正常値になった(80.4%)

素晴らしい成果である。いつも思うことであるが、笑顔で汗を流して参加し、実行し、結果を出し、発表する人の姿を見ると、心から拍手を送りたくなる。富津市のみなさんに感謝!!

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• 火曜日, 11月 04th, 2008

3月になると、毎年、NHKが富津市での潮干狩の風景をテレビで中継する。

親子連れでにぎわう浜辺は、アサリを掬(すく)う姿の向こうに、春の水のゆるみと、自然の息吹が感じられて、ホッと安心のため息をつく。季節がめぐって、暦が新しい貌(かお)を覗かせてくれる。空気までもが爽々しく爆(は)ぜているのだった。

富津市は海ノリの養殖でも有名だ。ある日のタクシーの運転手さんとの会話を想い出した。

「富津には葉の厚い木が多いね」
「アレは、ノリの養殖に使ったんだ。昔はね」と運転手。
「竹林も眼につくね」
「竹も、そう。ノリの養殖に使った」
運転手さんは続けて「現在(いま)では技術が発達して、木も竹も使わなくなった。綱が良くなったからね」と、淋し気に笑った。

その土地にあるものを利用し、工夫をして、知恵を絞って生活に使う用具は、すべて手づくりだったのだ。

富津は海ばかりではない。山の町でもある。マザー牧場は、広大な土地に富津市がつくった動植物の園である。菜の花が咲き、桜が咲き、四季の花々が牧場を彩る。馬に乗って牧場を散歩することもできる(レッスンなど)。

千葉県の高峰、鋸山は、昔、江戸に石材を伐り出した山である。今でも鋭く、切り立った岩肌が垂直の壁のように、木々の間に見受けられる。素晴らしい眺めだ。

1度、鋸山に登ったことがある。太平洋へと続く内海(東京湾)が銀色に、金色に輝く無数の光を放っていて、光の乱反射が水を、海面を沸騰させて、異次元に迷い込んだような、不思議な感覚に襲われたことがあった。

さて、平成18年、富津市では「ヘルスアップ事業」を実施した。

とにかく、富津市役所の職員には“意欲”と“熱意”がある。財政的には決して豊かな市ではない。厳しい財政ではあるが、国や県の補助金を利用して、少しでも住民のためになればと、挑戦する姿勢には、いつも頭が下がる。

身を粉にして、住民に応えるという素晴らしい伝統がある。新しい事業に取り組む、進取の精神が培われてきたのだろう。

保健師さんたち、管理栄養士さんたち、そして国保の職員のみなさん方と共同で、【事業】を支援させていただいた。

メタボリックシンドロームや生活習慣病が気になる人たちに集まってもっらい、「健康指導教室」を開いた。

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• 火曜日, 11月 04th, 2008

さて富津市は、昭和46年に富津町、大佐和町、天羽(あまは)町が合併して誕生した市である。人口は約5万人。町が合併してできた市の特徴として、市街地が点在し、いわゆる中心というものが、形成されていない。

緑の中に田園あり、畑あり、道があり、点在する人家があり、JRの駅の周辺に、旧(ふる)い町の商店街が集まっている。

大きな企業が、工場、スーパーがあるにはあるのだが、緑と水の量が圧倒する。漁業、農業の一次産業に従事する人は、人口比では、さほど多くはないのだが、やっぱり、富津市のイメージは海であり、漁業であると思えるから不思議だ。

市役所は、人家から離れた小高い山の麓(ふもと)にある。鉄筋コンクリート5階建ての、重量感のある、堂々とした建築物だ。広い駐車場の前には、大きな郵便局がある。

昔は役場や市役所は町の中にあって、歩いてふらっと行ける場所にあったものだ。今は車の時代だ。市役所は郊外へと移転している。

さて、堂々とした庁舎の脇には、レストランがある。訪れた人の憩いの場だ。正面玄関を入ると、エントランスの奥に喫茶店がある。くつろぎ、語らいの場も、至れり尽くせりだ。

「ヘルスアップ事業」は、庁舎の5階にある大きな会場で行われた。

私が富津で1番好きな場所は【富津岬】である。年に何回か訪問する。時間の都合がつけば、いつも、岬へと足を運ぶ。市役所から車で約15分、歩いて約1時間。

いつも風が吹き、波が立ち、松林が揺れている。植林された松は低く、地に這いつくばり、林立している。漁師の家々が軒を並べ、民宿があり、プールがあり、潮のにおいが漂ってくる。

港には舟が停泊している。食堂がある。地魚がおいしい。貝がおいしい。潮風を切って、車を走らせる。窓を開けて海のにおいを含んだ風に当たる。身体が海のにおいに染まっていくのが快い。合宿中のマラソンランナーたちが、若い足で駆け抜けていく。

松林が切れると、一気に海が貌(かお)を出すのだ。塔か、展望台か、遠くまで眺望できる建物がある。

白い砂浜が足元にある。

いつも、不思議に思うのだが、海面が立っている。地面よりも高く感じられるのだ。なぜか? 表面張力? まるで、大きな力で海面が天に持ち上げられているみたいだ。海が、私の身体の中へと侵入してくるのだ。その、浸され、占領される気分が、たまらなく快いのだ。私は海になる。

帆を立てた舟が走る。サーファーがボードに乗って、波を待っている。風の強い日には、対岸の川崎、横浜、久里浜が見える。運が良ければ、富士山まで見えるかも。

特に夕焼けは、また、格別の光景だ。黄色い太陽が、ゆっくりと、ゆっくりと沈んでいくと、大気の加減か、黄色が朱色の燃え上がる色に変わって、何倍にも膨れあがって見える。

何も考えず波の音を聴き、風を頬(ほお)に受け、真紅の太陽を眺めている。

まさに心の休暇の一時(ひととき)である。

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• 火曜日, 11月 04th, 2008

千葉県の地図を鳥瞰(ちょうかん)すると、私には房総半島が巨大な馬の貌のように見える。長い首から貌までの全体が、力強く、太平洋へと突き出していて、ゆるやかに弧を描く九十九里浜が荒波を受けて、しなやかな女の身体のように窪み、低い山脈がその中央に力を貯えて、内側へと伸びひろがり、東京湾の形を造りだしているのだ。

長い首の根元は、広大な関東平野へと続き、東京に隣接している。

北には日本一の利根川が平坦な平野を沃しながら、流れ、流れて、海へと至る。市町村の多くが房総半島の上か、根元にあるのだ。

野田、我孫子、成田、旧佐原、そして銚子にいたるまで、利根川の水の恵みを受けて、日本固有の水田がひろがっている。

九十九里浜は外房にあり、銚子、旭、横芝、九十九里、白子、一ノ宮、そして旧岬町に至る。御宿、勝浦、鴨川と海水浴場のメッカで、夏には家族連れで賑わい、冬にもサーフィンの若者たちが、カッパのように泳いでいる。

半島の突端には、旧白浜の燈台がある。

さて、今回訪れた富津市、君津市は、東京湾に面した、いわゆる内房にある。京葉が誇る一大工業地帯である。

東京から浦安、船橋、千葉、市原、袖ヶ浦、木更津と来て、【君津】【富津】となる。

特急で1時間10分くらい。高速の京葉道路を使えば、千葉で館山道に出て、1時間20分もあれば、到着する距離だ。東京からぶらりと日帰りの旅ができる位置にある。海水浴ばかりではない。千葉県はゴルフ場の数は、日本でも1・2位を競うほどだ。温暖な気候に恵まれ、1年中プレーできる。

県民の気質も温和である。海の幸に恵まれ、水があり、緑があり、自然の豊かな風土は、人柄にもそのまま表れている。

しかし不思議なことに、太平洋に面している温暖の地に、実は糖尿病が多いのだ。徳島県、和歌山県、そして千葉県、沖縄と、糖尿病とその予備軍の数は郡をぬいている。

昔、秋田、青森など東北地方に、高血圧、脳卒中が多発した時代があった。その状況に酷似している。

もちろんそれなりの原因があるのだ。理由のない病気はない。