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• 火曜日, 11月 04th, 2008

千葉県の地図を鳥瞰(ちょうかん)すると、私には房総半島が巨大な馬の貌のように見える。長い首から貌までの全体が、力強く、太平洋へと突き出していて、ゆるやかに弧を描く九十九里浜が荒波を受けて、しなやかな女の身体のように窪み、低い山脈がその中央に力を貯えて、内側へと伸びひろがり、東京湾の形を造りだしているのだ。

長い首の根元は、広大な関東平野へと続き、東京に隣接している。

北には日本一の利根川が平坦な平野を沃しながら、流れ、流れて、海へと至る。市町村の多くが房総半島の上か、根元にあるのだ。

野田、我孫子、成田、旧佐原、そして銚子にいたるまで、利根川の水の恵みを受けて、日本固有の水田がひろがっている。

九十九里浜は外房にあり、銚子、旭、横芝、九十九里、白子、一ノ宮、そして旧岬町に至る。御宿、勝浦、鴨川と海水浴場のメッカで、夏には家族連れで賑わい、冬にもサーフィンの若者たちが、カッパのように泳いでいる。

半島の突端には、旧白浜の燈台がある。

さて、今回訪れた富津市、君津市は、東京湾に面した、いわゆる内房にある。京葉が誇る一大工業地帯である。

東京から浦安、船橋、千葉、市原、袖ヶ浦、木更津と来て、【君津】【富津】となる。

特急で1時間10分くらい。高速の京葉道路を使えば、千葉で館山道に出て、1時間20分もあれば、到着する距離だ。東京からぶらりと日帰りの旅ができる位置にある。海水浴ばかりではない。千葉県はゴルフ場の数は、日本でも1・2位を競うほどだ。温暖な気候に恵まれ、1年中プレーできる。

県民の気質も温和である。海の幸に恵まれ、水があり、緑があり、自然の豊かな風土は、人柄にもそのまま表れている。

しかし不思議なことに、太平洋に面している温暖の地に、実は糖尿病が多いのだ。徳島県、和歌山県、そして千葉県、沖縄と、糖尿病とその予備軍の数は郡をぬいている。

昔、秋田、青森など東北地方に、高血圧、脳卒中が多発した時代があった。その状況に酷似している。

もちろんそれなりの原因があるのだ。理由のない病気はない。

Category: 紀行文, 千葉県
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