1. 「空海素描」(高野山大学刊) 竹内孝善著
2. 「異邦人」(新潮文庫刊) カミュー著
3. 「カミュ論」(筑摩叢書刊) モーリス・ブランショ著
4. 「反抗的人間」(新潮社刊) カミュー全集
5. 「革命か反抗か」(講談社刊) カミュー=サルトル論争
6. 「ペスト」(新潮文庫刊) カミュー著
7. 「最澄と空海」(吉川弘文館刊) 佐伯有清著
8. 「空海と密教美術」(洋泉社刊) 竹内孝善・川辺秀美共著
9. 「空海」(吉川弘文館刊) 高木訷元著
10. 「あなただけの空海」(小学館刊) 立松和平・竹内孝善共著
11. 「空海の本」(学研刊) 竹内孝善・竹内信夫共著
12. 「井筒俊彦全集」第一巻(アラビア哲学) (慶應義塾大学出版会刊)
13. 「昭和の貌」(弦書房刊) 写真:麦島勝 文:前山光則
14. 「新約聖書」訳と注「使徒列伝」(作品社刊) 田川建三著
15. 「新約聖書」訳と注「ヨハネ福音書」(作品社刊) 田川建三著
16. 「未明の闘争」(講談社刊) 保坂和志著
17. 「明治の風、子規と鴎外」(イースト株式会社刊) 壬生洋二著
18. 「名作に見る比喩表現」(イースト株式会社刊) 壬生洋二著
19. 「流星ひとつ」(新潮社刊) 沢木耕太郎著
20. 「晩年様式集」(講談社刊) 大江健三郎著
21. 「廃炉詩篇」(思潮社刊) 和合亮一著
22. 「宇宙が始まる前には何があったのか?」(文藝春秋社刊) ローレンス・クラウス著
23. 「サバイバル宗教論」(文春部書刊) 佐藤優著
24. 「禅仏教の哲学にむけて」(ぷねうま舎刊) 井筒俊彦著(野平宗弘訳)
25. 「『生』の日ばかり」(講談社刊) 秋山駿著
26. 「<世界史>の哲学」(講談社刊) 大澤真幸著
27. 「井筒俊彦全集」第四巻(慶應義塾大学出版会刊) 井筒俊彦著
28. 「地下室の手記」(旧:地下生活者の手記)(新潮社文庫刊) ドストエフスキー著 江川卓訳
29. 「江戸版 親父の小言」(大空社刊) 解説:小泉吉永
8月の眩暈に続いて、11月に、歩行が困難となった。
眼と耳と、肩と腰の筋肉の硬直。読めない、書けない、話せない、聞けない、歩けないの五重苦が来た。
読むと、眼の中で、活字が泳ぐ。見ると、映像が動いてしまう。大きな音、声は、耳が拒否する。考えがまとまらないので、上手く話せない、従って、書けない。散歩でもと思って歩くと、電信柱が右に左に揺れる。店に入ると、足がすくんで、光が乱反射して、歩けない。
ほとんど、死んでいる。コレは、重田昇ではない。何か、別の生きものだ。
身体からココロへと、症状が転移する。ウツになる。心身症状態である。
約半年間、「読書」ができなかった。六つの病院、九人の医師に診てもらったが、原因がわからない。疲労から過労へ。老化?ストレス?身体の不具合?
結局、終日、「呼吸法」と「瞑想」を行った。ココロと身体を、呼吸で、調整した。瞑想で、苦を解き放った。マッサージから、カイロプラティックへ。
5月に入って、ようやく、(普通)の状態が戻ってきた。杖をついて、歩く毎日から解放された。
やれやれ。
知識では、ココロの病いを知っていたが、自分の心身を通じては知らなかった。あらゆる能力が低下して、機能しなくなることは、ニンゲンにとって、恐怖である。
加齢による病いには、切りがない。ガン、心臓病、糖尿病、高血圧、脳卒中。そういう年齢になったということだ。
「空海」の資料を読みはじめて、もう、三年になる。結局、実践の伴わない、修学では、「空海」は現れない、わからないと解った。
「井筒俊彦全集」の刊行が始った。母校の慶應義塾出版会から。
単行本では読めない作品が、収録されるのがうれしい。全十三巻、ゆっくりと、味わいたい。
田川建三氏による「新約聖書」訳と注も、全六巻まで刊行された、あと二巻、生涯をかけた大仕事である。作品社の健闘をたたえたい。
「昭和の貌」 九州、熊本に生き、地域の文化、人物の変貌を撮り続けた、麦島勝氏による写真集。
どの写真からも、平凡な日常の風景からも、人々の表情からも(昭和)が立ち昇ってくる。貴重な記録である。
風の匂い、人々の表情、気配、どれをとっても、「昭和」である。
なお、文=解説は、前山光則氏。若き日の、文学青年の面影を知っている、私にとっては、忘れられぬ(文学)の友である。東京から、郷里の熊本に帰って、教師をしながら、地域の文化を書いている。
「名作に見る比喩表現」
壬生洋二・詩人。昔の文学仲間である。ブログで活躍。好エッセイを書いている。
「流星ひとつ」
自死した藤圭子と沢木耕太郎の対談。昔の、眠っていた原稿が、「本」となって、出版された。私の、学生時代に、藤圭子は、その時代の色を、歌ってくれた、ココロが共鳴する唯一の歌手であった。
「圭子の夢は夜ひらく」 「新宿の女」などなど・・・。
運命、宿命というコトバを身をもって、引き受け、歌にした、歌手であった。(合掌)
「宇宙が始まる前に何があったのか?」
宇宙論は、いつまでたっても、面白い。謎のまま終るのか、終に、ニンゲンがその正体を、見究めるのか、生きても、生きても、生きても、わからない、宇宙である。
「禅仏教の哲学にむけて」
井筒俊彦は、随分と、英語で論文を発表している。本書は、その英文を、他者が日本文に翻訳した書である。
井筒俊彦の(核)が、発見できる書である。
「『生』の日ばかり」
「死ぬ前に書くということ」 この本のタイトルは、編集者がつけたものである。秋山駿か、「『生』の日ばかり」で出版してもらいたかっただろう。時節を考えた、出版社がつけたタイトルである。
約40年、秋山駿を読んできた。お手紙をいただき、電話で話をし、酒を呑み、釣をして、対談、座談会までしてもらった恩人でもある。
「秋山駿」に対して、私のホームページで連載中の『コズミックダンスを踊りながら』で「鎮魂アフォリズム50作品<内部の人間>秋山駿に捧げる」を書いた。(2951~3000) 約600ページくらいの「本」になる予定である。
「江戸版親父の小言」は、江戸時代の寺子屋の教科書「往来物」の研究者、小泉吉永が発掘し、解説している。
小泉吉永は、学生時代に、神田の古本屋で、「往来物」を手にして、その魅力にとりつかれて、膨大な「往来物」を収集し、研究を続ける学者である。
縁があって、私が経営していた出版社で、優秀な、編集者として、働いてもらった男である。現在は、会社を辞めて、研究者として、活躍している。がんばれ、小泉吉永!!
(7月16日)