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• 金曜日, 1月 21st, 2011

京都府の福知山市での「ヘルスアップ事業」。フォローアップ教室を取材する旅となった。

はじめて訪問する、見知らぬ街だから、前日から気分がそわそわして、まるで遠足に行く少年か、ゴルフ前夜のような、期待と不安が入り交じった興奮状態にあった。

夜、地図をひろげてみた。

「福知山」市は京都市の北西に位置し、いわゆる丹波と呼ばれている地方にある。平成の大合併で、福知山市、三和町、夜久野町、大江町が一緒になった市で、人口は約8万2000人だ。中核の都市である。

京都駅から特急なら一時間半もあれば着く距離にある。南に兵庫の丹波篠山があり、北上すると「天橋立」のある丹波の宮津市、日本海に面した豊岡市(兵庫県)、西に兵庫県の朝来市がある。

3月11日(火)、私は営業担当の内田君と、車で明石市を8時に発った。気温はすでに4月の陽気だ。阪神高速7号北神戸線を走った。曇り空。舞鶴若狭道に入る。

トンネルを抜け、人家が消えると、低い山脈が左右に続いている。

霧が出てきた。山脈がゆっくりと白い霧に覆われて、沈んでいき、遠方は何も見えなくなった。山の中である。

10時。パーキングで休憩をとった。観光用の看板があった。もう一度、丹波地方の地図を頭にたたきこんで、現在地を確認した。

福知山市に入ったあたりで霧が消えて、青空に太陽が輝いた。町の全貌が光の中にひろがりはじめた。

「天橋立」まで48キロとある。左右に工場が現れた。製薬会社のものだった。左手にお城が見えた。堀がある。白壁が眩しい。町の中心に、お城が見事に建っている。城のある街には昔の香りが漂い、風情がある。

福知山市役所は、お城とは目と鼻の先である。今田保健師さんと、ヘルスアップ事業担当の小林さんにごあいさつ。フォローアップ教室までには、まだたっぷりと時間があるので、内田君と歩いて街を散策することにした。

もちろん目的は、お城「福知山城」である。

福知山市は盆地である。四方は山に囲まれていて、市の中心にお城がある。お城に登ってみた。坂道の傾斜が身体には快く、時計回りにゆっくりと歩く。語らいながら歩くと、街が眼下に現れる。その光景に気分は爽快。由良川が光っている。

人間の胴体ほどもある、桜の大木が坂道に何本も黒々とした幹を陽光に染めている。惜しむらくは、桜はまだ蕾で、硬く、尖った米粒ほどの芽をいっぱいに着けていた。

満開の桜の花を目の中で想像して、幻の花を咲かせてみた。眼下に風に吹き流された花びらでも散れば、まさにお城と桜で一幅の絵画になるだろうと思われた。お城は、戦国時代の武将、かの明智光秀が治めたものだと、看板にある。

そばに豊盤井という井戸がある。深さ50メートルとあって、深くて底が見えない。羊歯が茂っていて、金網が張ってある。眺望すると春霞が山々に漂っていて、四方八方うららかな春の気配に満ち、街は静かに、山際へと伸びている。

いい天気だった。

Category: 京都府, 紀行文
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