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• 火曜日, 11月 04th, 2008

温泉旅館で朝風呂に入った。極楽である。ひなびた昔ながらの温泉につかりながら、温泉街がたどっている光と影を思った。温泉地は昔から観光と湯治を売り物にしてきたが、社会の環境が変わって、社員旅行が減り、旅のスタイルが変わってしまった。若い人たちの生活・気質が大きく変化した今、新しく生まれ変わる運命にある。

一方で健康づくりに温泉が役立つと、温泉郷もそのPRに余念がない。また、都市にない自然を求めて、樹木や森に思いを馳せる現代人の心情もある。地方の商店街が、シャッター街に変貌している事実を各地で目にしている。

長岡温泉郷もまた、伊豆の国市という新しい名を得て、生まれ変わろうとしているように見受けられた。

資源は豊富で、恵まれた土地だから、知恵と工夫次第で再生は可能かもしれない。

今日の「温泉パワーでウエストすっきり!教室」の会場は、川のほとりの「おおとり荘」で行われる。

講師は長島寿恵先生。薬剤師、運動指導士、温泉療法アドバイザー、西東京糖尿病療養指導士など多面的な貌を持つ先生である。

9時30分スタートまで約1時間ある。見事な堤防があるので、思わず朝の散歩となった。「おおとり荘」という名前ではあるが、実は、鉄筋コンクリートの6〜7階建ての立派な観光ホテル(?)なみである。

ホテルの庭を出ると道路があって、その向こう側に、まだ緑を残した草原があり、狩野川が流れている。支配人の話では、快晴の日には左手に富士が見えて、見事なロケーションだという話だった。曇天で残念。

土手に上がると、左から右からウオーキングを楽しむ市民の方が早足で、次から次へと歩いてくる。

眼の前は、180度、伊豆の山々だ。河原には柳、ススキが揺れていた。眼を空に向けると、太い高圧線が走っていて、大きな鳥が30〜40羽ほどとまっている。二羽、三羽と宙に舞い、孤を描きはじめたので、その鳥がカラスではなく、トンビだとわかった。

群生する植物、街にひろがる緑の木立からは、小鳥の囀(さえず)りが風に乗って聴こえてきた。

伊豆の地は温暖で、11月だというのに、20度を超える暑さだった。

ゆっくりと、ゆっくりと孤を描くトンビが急降下して、川面に突入する。戻り鮎か、川魚を狙ったのだろうか?

街をめぐると、弘法の湯とか、温泉旅館、ホテルが軒を並べていた。

のんびりとした風景は癒しの湯にぴったりの情緒をかもしだしていた。

ホテルの一室に、教室の参加者が続々と集まっていた。これから4時間「ヘルスアップ事業」の基礎講座が催される。(つづく)

Category: 紀行文, 静岡県
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