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• 火曜日, 11月 04th, 2008

【伊豆の国市】は、いわゆる平成の大合併で誕生した新しい市である。長岡町、韮山町、大仁町が合併した。人口は約5万人、1.9万世帯。もちろん、名前の通り伊豆半島にある。

富士山の優美な裾野が海に向けて伸びきったあたり、裾野市、三島市があり、駿河湾に面した沼津市、そのあたりに小さなこんもりとした山々が幾つか点在して、伊豆の国市がひろがる。

伊豆半島には伊豆と名のつく市や町が5つある。東伊豆町、南伊豆町、西伊豆町、伊豆市(旧修善寺町など)、そして伊豆の国市である。

何度か大きな合併劇があった。その度に村や町の名前が消えていく。消えた名前を惜しむ人、残念がる人、名前は単なる地名の象徴ではない。生活や文化や歴史がその名前に張りついている。【江戸】は【東京】となった。もう大昔のことになるが。100年も前のことだ!

しかし、新しい名前にも、なるほど、素敵だと感心する名前もある。

【伊豆の国市】も実に見栄えのする、いい名前だと思う。

静岡、伊豆といえば、もちろん富士山、お茶、みかん、そして温泉だろう。

川端康成の「伊豆の踊子」はもちろん、松本清張、梶井基次郎や井上靖など、多くの文人、作家、画家、音楽家などが伊豆を訪れ、たくさんの作品を残している。

東京のサラリーマンが社員旅行、温泉旅行で最も利用し、愛したのも伊豆だろう。

伊豆の国市では、国保ヘルスアップ事業に地元の温泉を利用した計画を策定した。名づけて「温泉パワーでウエストすっきり!教室」である。

静岡県は、健康長寿日本一を目指して、ファルマバレープロジェクトをモデル事業として立ちあげ“かかりつけ湯”を創設した。伊豆には約57の温泉がその指定を受けている。

①健康プログラムの開発・温泉療法医・温泉入浴指導員が入浴のアドバイスをしてくれる。

②糖尿病などの予防メニュー、食品アレルギーを持った方に対応したメニュー食が提供される。

③健康増進のために運動メニューがあり、文学散歩コースを紹介したり、多様なサービスが受けられる。

④連泊や平日利用の方には割安な料金もある。

とにかく多様な方法で、おもてなしをしてくれるプロジェクトが“伊豆かかりつけ湯”である。

当初、私は東海道新幹線“ひかり”で東京駅から三島駅(約60分)まで乗車して、伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り換えて、伊豆長岡駅(約21分)のルートを考えていた。そこから温泉宿までバスで10分の距離だった。

営業課長の尾沼君が、当地まで車で行くというので、思いがけぬ車の旅となった。

東京・両国の当社を出発したのが、すでに5時を廻っていて、大都市のネオンは煌々と輝き、東名高速に乗るまでは、おびただしい光の渦ばかりが眼についた。めざすは伊豆長岡温泉郷の“ゆもとや旅館”である。(つづく)

Category: 紀行文, 静岡県
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