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• 火曜日, 11月 04th, 2008

駅前で「国保ヘルスアップ事業」を受託している永薬品商事の菅原課長と新人の平田君に合流して、車に乗った。

“さくらんぼ東根駅”から河北町までは車で20分ほどだと言うので、今日は是非、名物の【肉そば】を昼食にしたい、と頼んでみた。もちろん二つ返事だった。

果樹園が続いていた。さくらんぼ、ぶどう、りんご、柿、ラ・フランス(洋梨)などを総称して、地方ではフルーツという。果物とは言わない。なるほど、レストランでは食後にデザートとして、フルーツがでる場合が多い。これもひとつの戦略か。ネーミングも大切な顔にはなる。

【肉そば】には冷たいものと温かいものがある。板そばは、板の上にそばを乗せてあって、ツユにつけて食べる。東京でのザルそばと同じようなものだ。

ところが【肉そば】は丼の中にたっぷりのツユが入っていて、その中にそばと鳥肉が入っている。伝統食や郷土料理には、その土地の食文化、食習慣、知恵がもっともよくあらわれている。身土不二の思想である。

見た眼には濃い味に見えたが、食べてみると、あまり油っぽくはないし、冷たいそばにも歯ごたえがあって、大盛りを注文したが、ペロリと食べてしまった。

このそばには日本酒が合うだろうなどと、酒の旨い山形のことだから、昔の人がそばと肉を食べながら、熱燗を呑む姿を想像してしまった。胃にももたれない。食堂はお客でいっぱいだった。

昔は馬肉や牛肉を使っていたと、そばの歴史を紹介した新聞記事の紹介がコピーして、透明なファイルに入れてあった。

“道の駅”はいろいろな国の政策でも成功した事業ではないかと思う。私も全国に出かける度に、山の中や辺境に“道の駅”を見つけては入ってみる。食堂やレストランばかりではなくて、その土地の産物の売店もあって、けっこう役に立つ。

河北町の“道の駅”は【ぶらっとぴあ河北】と命名され、最上川の河岸にある。国道287号が走っていて、その橋のたもとに建っている。塔のような4階建ての建物だ。展望台があるというので、昇ってみた。

曇り空で、遠方が霞んでいる。町の全容が見渡せる。最上川が眼下にあって、河原に雑木が立ち、水量は晩秋で少なめだが、草原が土手にひろがり、ウオーキングに絶好の堰の道がのびている。その姿は【川】の美しさを残している。やはり最上川だ。

「五月雨を集めて早し最上川」

町並みは北の低い山のふもとまでのびていて、川向こうに東根市、北に村山市、南に天童市、山形市、西に寒河江市と、市に四方を囲まれながら、独立してる町が河北町である。

快晴ならば、月山も遠望できる位置にある。四方をぐるりと眺めながら、町の姿を頭の中に入れて、塔を下りた。

会場へは今しばらく車を走らせねばならない。町を五つの地区に区切って、毎年、その地域の人々から参加者を募るのだ。今年は、西里地区がその舞台である。
(つづく)

Category: 山形県, 紀行文
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