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• 日曜日, 12月 06th, 2009

1. 「動的平衡」(木楽舎刊) 福岡伸一著
2. 「思考の補助線」(ちくま新書刊) 茂木健一郎著
3. 「エレファントム」(木楽舎刊) ライアル・ワトソン著
4. 「夜明けの家」(講談社文芸文庫刊) 古井由吉著
5. 「人とこの世界」(ちくま文庫刊) 開高健著
6. 「世紀の発見」(河出書房新社刊) 磯崎憲一郎著
7. 「生きる勇気・死ぬ元気」(平凡社刊) 五木寛之VS帯津良一著
8. 「隠者はめぐる」(岩波新書刊) 富岡多恵子著
9. 「食・息・心・身」の法則(成甲書房刊) 阪口由美子著
10. 「名づけえぬもの」(白水社刊) サミュエル・ベケット著
11. 「ヘヴン」(講談社) 川上未映子著
12. 「乳と卵」(講談社) 川上未映子著
13. 「わたくし率 イン歯−または世界」 」(講談社) 川上未映子著
14. 「死とは何か」(毎日新聞社刊) 池田晶子著
15. 「私とは何か」(毎日新聞社刊) 池田晶子著
16. 「思考する豚」(木楽舎刊) ライアル・ワトソン著
17. 「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」(青土社刊) 川上未映子著
18. 「残光」(新潮社文庫刊) 小島信夫著
19. 「ドン・キホーテ」(岩波文庫刊) セルバンテス 前3巻 後3巻
20. 「父・藤沢周平との暮し」(新潮社刊) 遠藤康子著

読書は、瞬間爆発の快感と、読み終えたあとの、長く尾をひく、燠火のような燻りと、二つの愉しみがある。

発想一発の驚きは、長い時間がすぎてみると、色褪せるものが多いが、静かな文章は、その味わいがじわじわと利いてくる。先日庄野潤三氏が死んだ。「記録もひとつの文学である」という信条で、日常のなに気ない事柄を淡々と描き続けた。事件も、事故も、作為もない、無作為の文章は、静謐であった。合掌。

文章の姿が、そのまま人柄に、生き方に、そして、思想にもなる、いい例である。

逆に、見事なまでに、読者の眼を、思考を揺さぶり続け、新しい事象の地平をきりひらいてきたライアル・ワトソンも逝った。「豚」と「象」をテーマにした、最終の作品は、まるで、自らの生いたちを語る小説そのものだった。夢をありがとう。
 

Category: 読書日記
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