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• 火曜日, 11月 04th, 2008

“岬”と聞いただけで、心地よい風が全身を吹き抜けていく、爽やかなイメージをもつ人が多いのではないか。青空があり、天空に太陽が輝き、おびただしい波が眩しいばかりに海原で踊っている。潮風は陸にむけて吹き渡ってくる。海にむけて突出した半島に“岬”はある。

海にむけて力強くせりだした力の象徴が“岬”である。海へとむかう陸の意思が半島を形造っているふうにも思える。

そして、大きな力がせめぎ合い、力のバランスが崩れて勝ったところが“岬”となり、負けたところが入江や港となる。

私には、そういうふうに思えて仕方がない。“岬”は陸の力をもっとも誇示した場所である。

今回、私が訪問したのは、大阪府の南に位置する“岬町”である。

日本は島国であり、いたるところに半島があり、岬がある。男鹿半島、房総半島、伊豆半島、室戸岬、足摺岬、えりも岬、潮岬。

日本に“岬”と名のつくところが、どのくらいあるだろうか?

しかし、私も全国を廻って歩いているが、町名に“岬”がつく市町村は2つしか知らない。千葉県は房総半島にある“岬町(みさきまち)”と、今回訪れた紀伊半島・大阪湾に面した“岬町(みさきちょう)”である。“町”の読み方がちがうのだ。

大阪府の岬町は、和歌山県と接している県境の町である。峠ひとつで紀州の国となる。言葉も、峠ひとつ超えると変わってしまう。

もちろん、海の町である。人口は18,915人。世帯数は7,779。阪南市と和歌山市に挟まれた町だ。

今回が2回目の訪問となる。「ヘルスアップ事業」も2年目に入った。

東京発14時13分発の「のぞみ」に乗る。3月8日だというのに、コートもいらないくらいに温かくて、桜の花が一斉に咲き誇ってもおかしくない。狂い咲くのは、桜花か人間かと思えるほどに、世相が病んでいる。

あれやこれやと、頭の中心に浮かんでは消えていく日々のよしなごとを、車窓を眺めながら車体の振動に身を任せ、西へ、西へ、新大阪へと「のぞみ」は疾走する。

旅の空に、見果てぬ夢のプランを描いては、消えてしまう。

新大阪から、地下鉄で難波へ行き、南海電車で50分も走れば、みさき公園・和歌山市駅に着く。

偶然「特急・スーパー黒潮」新宮行きがあった。(つづく)

Category: 紀行文, 大阪府
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