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• 水曜日, 4月 21st, 2010
801. もういいと自分の一生を思う時に、充分に生きたと思う人と、不運と不幸でうんざりだと思う人の差が生じてしまう。
802. 手で、自分の手で、モノを作る、それが一番、ニンゲンらしい仕事だ。
803. 腰の重い人だと言われるが、いざ、出発と決まると、今度は、疾走して、止まらなくなる。不器用な男だ。
804. (私)の死ぬということがわからないように、(私)の生れるということもわからなかった。気がつけば、(私)がいる、(今・ここ)に、それだけだ。
805. 不安、痛み、恐怖、ニンゲンが、逃れたいと思うものの、ベスト3であろう。困ったことに、生きて、存在する限りは、なくならないものばかりだ。
806. 楽しみ、喜び、快楽、感動、感激、法悦、60年も生きているのに、悲と苦の思いばかり多くて、(快)は少ないものだ。何日あった?
807 (数)は宇宙にあるものの名前か?
808. (考える)ことの範疇にないものに対して、(考える)という方法で挑む−それは無謀だ。
809. 1はわからない。1はこわい。1は考えられない。だから、2からはじめる。はじまりの2は1ではない。
810. 夫婦(2)は子供(1)を生む。2は1である。日本語としては、ちっともおかしくはない。しかし・・・。
811. 思考の連鎖がはじまっている。あらゆるものが、結局、ひとつのものに、通底してしまう。
812. 数学の問題を解くように、人生の問題を解く。それは、どだい、無理である。質と位相がちがう。
813. 生きる・一番の必要は、湧きあがるエネルギーだ。衰弱が一番困る。まだ、堕落する方がましだ。
814. すべてを失うことが、快感であり、心が、もっとも落着く人もいる。(自己処罰)
815. モノをもらったり、モノを持つと、妙に落着かず、持ちおもりがする種族(タイプ)が、必ずいる。
816. 誰もが、罪人になることを、拒むわけではない。大きな力で、処罰されて、ホッとする人もいる。早く捕らえてくれ、早く死刑にしてくれと。
817. ニンゲンは、実に、奇妙な生きものだ。助けてくれ、とも、殺してくれ、とも叫んでしまう。
818. 父殺し。王殺し。神殺し。存在殺し。連鎖してしまう、殺すということ。誰が?
819. 引き裂かれたまま生きている(私)
820. 空はいつも泡立っている。光の独楽が廻っているから空間はいたるところで歪んで見える。鏡のように澄んだ青空はない。
821. 「物語」(小説)の場自体がモノを考えてしまう。
822. よく、小説家が、勝手に「物語」が動きはじめたと語るが、フィクション(小説)であれ、ノンフィクション(事実)であれ、言語場を作ってしまうと、そこに、(力)が現れて、その差異が、衝突して、動きはじめ、作家は、本人が書いているのではなく(考え)る磁場に巻き込まれてしまうのだ。
823. 一人の作家が、思考するよりも、さらに、多くのものが、書かれる作品と、書かれない作品の両世界にひろがってしまうのだ。
824. 誰も書けない世界、言葉の外側に、(絶対言語)は立ちあがる。
825. どこまで、心の深淵へと降りていけるか。無意識の、アーラヤ識の、彼方へ。モノとココロが合体する1かゼロの地点へ。
826. モノとコトに囲続されて、形態の不条理へと身を委ねている。
827. 父の父の父の父へ。母の母の母の母へと。(私)は、その透明な糸をたぐり寄せてみる。
828. ニンゲンは、誰でも、いつか、不条理な(私)の死を受容せねばならぬ。現在、そのレッスンが必要だ。
829. すべてを失った者は、死の受容もやさしい。あらゆるものを手に入れたと思った者は死の受容に喘ぐ。どちらが幸せかわからない。幸せは不幸。不幸は幸せ。
830. 死にたいと思う人、生きたいと思う人。同じニンゲンで、まるで、意思のベクトルがちがう。存在することの畏しさ、不思議。
831. 何もいいことがなかった。幸福な日は、数えるほどだった。それでも、ゼロではない。生きて、存在しているだけで。
832. 思い出には限りがない。最低のものから最高のものまで。味わえば、文句はないだろう。で、どうだった?
833. わかっているだろうか?
     ニンゲンが生きるということを。
     ぼんやりと齢をとってしまって。
     死にもの狂いで生きてきた。
     ニンゲンの証明は、結局、自分自身で片をつけるしかない。
834. 平凡、普通。それは、すべて、他人との比較である。計りは(私)の中にある。
835. 文句に、愚痴に、不平に、不満に、悪口に、不快に、出てくるわ、出てくるわ、そんなニンゲンに限って、自分には甘いのだ。
836. この程度のニンゲンだと、自分自身に言いきかせられる人は、まだ、モノがわかっている。バカのバカは、利巧ではないが。
837. たいがいのニンゲンは、いつも、自分を、いい子にして語りたがる。なぜだ?
838. ただし、自分を責めて、責めて、責めて、必要以上に責める人は、自分を滅ぼしてしまう。
839. 結局、お前は、そういうニンゲンだよと他人が言う時、耳に痛いが、半分は当たっている。他人の眼は、厳しい。
840. 批判しても、攻撃をしても、悪口を言っても、隠口をきいても、結局、ニンゲンは、群れから離れられない。世間という世界。
841. おそらく、他人は、誤解をしない。ゆがんでいるものは、ゆがんでいるように見る。
842. 「俺を信じてくれ」という人は、言葉以外の行動の重さを、ほとんどわかっていない。
843. 嘘が、そのまま、身についている人がいる。平気である。嘘をつくのが。で、最後には、自分自身にも嘘をついていて、行き場を失ってしまう。
844. 情の人、知の人という。どちらを信用する?いつも別れ道は、そこにある。
845. 自分自身を大事にする。生きものだから当たり前だ。誰も文句はない。しかし・・・。
846. はじめて、62歳を生きている。だから、新しいことばかりだ。わからないのだ。心も身体も。
847. なぜ、人は、ニンゲンという、存在の、運命を受け入れてしまうのだろう。誕生から死へ。生、老、病、死というものを。100%の絶対だからと。もっと、他の、存在の変容はないものかと、考えないのだろうか?
848. 形があるから、形の変化を見てしまう。形がなければ・・・、いったいお前は、何を言いたいのかと、批難の声が飛んでくる。
849. 飛びっきりの、絶対の、有無を言わせぬ、生の一回性が、宇宙にはあるのだから、心臓がとび出してもおかしてないのに、平気で日々を生きている。その時が来るまで。
850. 死を前にして、作家・評論家の小田実は、「死なない念仏を唱えてよ」と、出家している瀬戸内寂聴に言った。「そんなものある訳ないじゃない」答えである。
851. 現在、いったい、宗教の存在理由はどこにあるのだろう。何をしているのか?何ができるのか?
852. 「 」ではなくて、( )でもなくて、) (を使いたくなる時がある。在るのに無い。居るのに居ない。開かれていて、内と外がない場合。
853. カーテンが風に揺れている。ただそれだけ。
854. 私のような男を受け入れてくれる女には、惚れたくないと友が言った。誰の言葉だったのか?
855. 頭が濁っている時には、ひたすら歩くこと。
856. 回転する独楽の模様の澄みかたが頭脳にも欲しい。
857. ニンゲンは、進化してきたと言われても、(私)は、私自身のことも、よく知らないのに。
858. 日常のセイカツの中に、一本の杭くらいは打っておこう。(現場)の勘がなくなれば、本当の世捨人の思考になる。
859. 銀河と原子の間で、中くらいのニンゲンは、どちらにも行けずに浮遊している。
860. 望遠鏡と顕微鏡が神を殺した。もう、誰も、神のイメージがもてない。
861. 「私小説」が光っている。耳によく響く声で。車谷長吉の声。西村賢太の声。
862. 今日、鶯の初音を聴いた。4月10日は、鶯記念日。
863. 何もしたくないために、言い訳ばかり考えている。おそらく、存在すること自体に、不満、不快があるのだろう。
864. 人が死体になった時の、あの言いようのない、踏しみしだかれた屈辱と悲惨。
865. 気分は、思考を変えられるか?
     気分は、思考を作り出すか?
     気分は、思考を呑みつくすか?
866. 肉体をゆすって、精神のリズムを整える。
867. ニンゲンの視点は小さすぎて、視野は、まだまだ狭すぎて、思考も低空飛行を続けている。もっともっと、超球宇宙へ。
868. いったい何をやっているのか、ニンゲンは、本当のことを解っていない。
869. 無限に続くラッキョの皮をむいている。生きている不思議を、誰も疑わない。
870. (神)を作り出した時代と、(神)を棄ててしまった時代と、どちらが幸せか、俄に断じがたい。
871. 日が昇り、日が沈む、地球の1日に慣れてしまったニンゲンは、宇宙の悠久のリズムに背丈が合わない。
872. 往復運動が思考のダイナミズムを生む。雑多な日常の中の思索活動。
873. 元手のかかった文章は、真夏日に呑む水と同じだ。全身に涼気が走る。心臓が、きゅっと音をたてて鳴る。
874. 気が通う。そんな人が何人いるだろう。
875. 知識だけで書いた文章は、尖っていて、ちっとも味がない。正確なだけで、面白くない。
876. 思考のゆらぎから結晶まで、文章が捉えたとして、宇宙の痙攣は、するりと身を変わしてしまう。
877. 時空の中で、途方にくれないニンゲンがいるだろうか。位置も場所を定まらず。
878. 宇宙飛行士たちは、美しい地球を、誇らし気に語るが、宇宙の暗黒の淵、闇の恐怖、畏怖については、多くを語りたがらない。なぜか?
879. あらゆる物語を聴かされる人、知らされる人にとって、一人の作家など、もはや、なんのことはない。すべては、宇宙へと放たれる精神の軌跡にすぎないから。
880. 無限に続く物語には、「本」としての終わりや始まりはない。宇宙という物語。
881. 最高の作品とは、作者(私)の手から離れて言語そのものの歴史へと化したものである。
882. 石は、石以外にはなりたくないと言っている。水は、水以外のものにはなりたくないと言う。(私)は、永遠に、(私)として存在し続けるだろう。
883. 言語の物質化は、どのように、可能であろうか?分秘される、言葉は、言葉自身をしらない、ただのものになる。
884. ニンゲンは、けっこうアバウトな生きものかもしれない。どんな天才であっても。
885. とことん考えると、脳が痙攣する。そんな時には、解き放ってやれ。頭を棄てて、肉体へと走れ。
886. 泣くという行為がなければ、ニンゲンの悲しみには行き場がない。泣いて、泣いて、声をあげて泣くのだ。
887. 夫婦でも、親子でも、どうしても救けてやれない場合がある。死に至る病いだ。(私)は(あなた)にはなれない。
888. 火山の大爆発。6000年のニンゲンの一切の文明が役に立たない。
889. 他人(ひと)を丸ごと理解しようなんて、どだい、無理である。(私)自身でさえ、その正体が解らないのだから。
890. 書くことは、すでに書かれてしまったことを掘り起こすことかもしれない。
891. ニンゲンは、コズミック・ダンスを踊りながら何処へ行くのか?何をしているのか?一切が、眼隠しされたままだ。
892. 現在のニンゲンは、あらゆる面で、宙吊り状態である。(今・ここ)を通過しているだけの小さな、小さな、小さな存在。
893. 誰かはわからないが、最後のニンゲンは、生命、存在、宇宙のすべてを報らされるように出来ているとでもいうのだろうか。
894. 私たちニンゲンは、永久に「宇宙という巨大な本」を書き続けているマラソン・ランナーである。
895. 永続する(言葉)は、誰のものでもない。個人の(私)を超えて、不死の(言葉)になる。
896. 何が書かれているかよりも、「本」は、すべてのニンゲンに共通する(思考)の形だ。さあ、どんどん考えてくれ。
897. モノやコトがわかるのは、それらがすべて在るものだから。
898. 終日、歯痛で唸っている。何も手につかないだらしなさ。痛み、苦痛の破壊する力。
899. 歩いてみろ、あらゆるものが、思考の発条(ばね)になる。
900. 人生80年、ひとときのまどろみである。
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