• 木曜日, 4月 30th, 2020
1 揺らぎから来た
波が騒ぎ 泡が立った
風が吹いている ビッグ・バンの風が
何処から何処へ ∞
(木)が(私)の中へ
(私)が(木)の中へ
2 流れる 時間の滝が
「間」をくぐりぬけて
(木)がない (私)がいない
3 現れる 消える こともない
「名前」がないから
( )がある )(がない
( )があることもない)(がないこともない
4 浮遊する
空へ 青空へ 漆黒の闇へ
前に歩くと後ろになる
上に歩くと下になる
右に歩くと左になる
一切が永遠の宙吊り無限放射の鏡
5 宇宙に歩をすすめると
コトバ系が見事に壊れてしまう
わが惑星・地球の
結ぼれの環 コトバよ
量子のコトバとなって
死者たちの耳にも届けよ
6 飛ぶ超球へのステップ
眼がない いいや(ある)やっぱり)ない(
口がない いいや(ある)やっぱり)ない(
舌がない いいや(ある)やっぱり)ない(
皮膚がない いいや(ある)やっぱり)ない(
意識がない いいや(ある)やっぱり)ない(
無数の( )と)(の群れが
泡立っている
確かに
宇宙にたったひとつの
泡箱がある
※「霧箱」「泡箱」「暗箱」と「箱」シリーズのひとつです。
Category: 詩